ソーシャルスキルトレーニングとはどんなものか

ソーシャルスキルとは

ソーシャルスキルトレーニングとは何かを知る上ではソーシャルスキルについて理解することが欠かせません。ソーシャルスキルとは社会で暮らしていくために必要なスキルを全般的に示しているものです。特に社会で人と関わっていく上で重要なコミュニーケーションスキルが注目される傾向がありますが、日常生活の中で身辺のことを自分でするための基礎もソーシャルスキルとして位置づけられています。
身支度を整えたり、ご飯を食べたり、清潔さを保ったりすることも重要視されているのです。病気や障がいを負っている場合には自己管理をして社会で受け入れられる形で生活できる能力も求められます。このようにして定義付けられるソーシャルスキルを育むのがソーシャルスキルトレーニングです。

ソーシャルスキルトレーニングを知ろう

ソーシャルスキルトレーニングとは認知行動療法の一種で、主に障がいを持っている人や難病を患っている人などを対象に行われている支援です。対人関係を中心とする社会生活技能をトレーニングするケースが多いものの、人によって育まなければならないソーシャルスキルには違いがあります。服薬自己管理・症状自己管理などの疾病の自己管理を指導するケースもあれば、歯磨きなどの日常生活技能を教えるケースもあるのが実情です。

現在では、精神科領域だけでなく、教育領域、就労支援関連領域、司法矯正領域、職場のメンタルヘルス(産業領域)など、さまざまな領域で実践されています。また、家庭や職場への訪問など、地域生活者の現場での支援も行われています。

SST は希望志向であり、精神障がいをもつ人たちをはじめ、支援を必要とする方の希望に基づいた支援方法です。自己対処能力を高め(エンパワメント)、一人ひとりのリカバリーを目指して、SST が広く活用されることが期待されています。

出典:一般社団法人 SST普及協会

ソーシャルスキルトレーニングが目指しているのは個人が自立して就職し、社会で働けるようになることです。社会で他人とコミュニケーションを取れないと仕事をするのは困難でしょう。しかし、働かなければ収入がなく生活をしていくのは困難になってしまいます。その人の能力に応じて何ができるかを考え、適切な仕事を選んで取り組んでいくことが重要です。その大前提としてソーシャルスキルを持っていなければならないため、発達障がいなどでスキルに不足する部分が生じてしまっている人の支援が行われています。公的機関だけでなく、民間機関の中にもトレーナーを抱えてスキルトレーニングを実施するところが見られるようになっているのが現状です。

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