就労支援ってお金がもらえるの?気になる工賃の相場を全面公開

賃金(工賃)で分かる普通の人と障害を持つ人の違い

普通の人は企業で普通に働き「給与」を得ています。障害を持つ人は事業所で特別に働き「工賃」を得ています。給与とは働いた成果であり、最終的に社員のお財布に入るお金です。2017年度の平均年収は432万円ですから、賞与を含む月収は36万円となります。

一方、工賃とはその作業に掛かる人件費で、材料費と同じ扱いです。ですが、就労移行支援の過程にある障害者には給与に等しい工賃が支払われます。厚生労働省によると、工賃の相場は以下のとおりです。

【平均月額工賃(2017年度)】
A型月額 74,085円(前年度比4.8%増)
B型月額 15,603円(同2.0%増)

補助金ありの就労移行支援A型は副業(無条件)NG

それでは「工賃が少ない」からと言って、副業が許されるのでしょうか。「就労移行支援A型」は、就労移行支援事業所と就労障害者が雇用契約を結びます。普通の人が企業に勤務する形態と同じです。工賃の相場はだいたい時給800円ぐらいです。

障害者雇用には税金から就労支援事業所に対して補助金が支払われているので、他事業所での勤務実態、いわゆる副業が判明すると、補助金の返還を求められます。もちろん、副業はNGです。

補助金なしの就労移行支援B型は副業(条件付き)OK

一方、「就労移行支援B型」は支援事業所と就労障害者が雇用契約を結びません。アルバイトのような形態です。もちろん、工賃(日給)を受取れます。工賃の相場はだいたい時給205円ぐらいです。補助金の対象ではありません。

短時間就労の場合、就労先の企業と市区町村の障害福祉担当課が了解していれば、副業はできます。人材不足という経営課題を克服するため、就労障害者を副業という形で採用する企業も増えています。

職業訓練を受けながら「おいしいランチ」を食べれる移行支援もある

「就労移行支援」は、ハローワークで対応している職業訓練学校のような形態です。就労障害者にパソコンのワードやエクセル、文章の書き方、名刺の渡し方など仕事に必要なスキルトレーニングを行います。もちろん、工賃相場は0円ですが、プライスレスなスキルが身に付きます。

そして就労移行支援所や市区町村によって、交通費やランチを支給するところもあります。学びながらランチを無料で食せるのですから、嬉しい話ですね。お住いの自治体にそういうサービスがあるかどうか、チェックするべきでしょう。

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