難病は上司や同僚からの理解が必要

疾患によって症状はさまざま

一口に難病と言っても、国から指定されているだけでも、330以上の疾患が存在します。疾患によって症状は様々で、他人が見てもすぐわかるような疾患から、身体が疲れてしまって多くの休憩が必要な疾患まであります。後者の場合は「怠けている」「やる気がまったく感じられない」と就労の現場で他の同僚や上司に思われることも少なくありません。当事者としては、他の就労者と同じように業務をしたいのですが、身体が追いつかないのです。

体調は日によって違います

難病をかかえて就労している当事者が日常生活や就労の現場で上司や管理者に、まずは聞いて欲しいことがあります。それは「その日の体調はどうか」という事です。難病といっても、薬によって大きく体調が回復して他の就労者と同じぐらい体力や気力が充実している日のあれば、動く事も難しい日もあります。
その日の体調をしっかりと上司や同僚に伝えることで、周囲から「怠けている」「やる気がない」と思われるリスクが下がり、精神衛生的にも楽になります。また、「簡単な業務」だけを「難病だから」という理由でやり続けることも疎外感を感じてしまいます。その日の体調によっては、複雑な仕事も出来ることもあります。難病を抱えている当事者の「その日の体調」によってまかせる業務内容を臨機応変に変えてください。

「周知」することも必要

難病を抱えながら就労をしている人たちの中には、自身の症状を同僚に理解してほしいと思っている方も少なくはありません。周知することによって、周囲からの「誤解」を避けることが出来るからです。当事者に「同僚にあなたの疾患について説明してもよいか」と聞いてみてください。そして当事者が同意したのなら、時間をかけてゆっくりと他の就労者に説明をしていきます。朝礼やミーティングで説明されては、当事者の精神的な負担が大きくなる可能性があるので、出来れば日常的な会話や、休憩時間の雑談などを利用して、当事者の疾患について周知していってください。

難病を抱えているからといって、決して楽をしたいわけではありません。他の就労者と同じように働きたいと願っているケースも少なくはありません。注意点としては、「知られたくない」と思っている難病を抱えている当事者もいることから、本人の同意がない場合は、周囲に漏らさないようにすることです。

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