難病の社会での現状と当事者の努力

難病に対しての理解不足と様々な助成制度

厚生労働省による難病の定義は、発病するメカニズムが明らかでないことが原因で治療方法が確立されていないことや、罹っている疾病が希少なもので療養の長期化が必要となるものと定義しています。難病は多種多様な病名や症状があり500疾患以上が国で研究されています。難病の人の中には、自分で身体を動かすことが不可能な人や寝たきり状態の人もいます。また一見普通に働いていても、薬によって症状を抑えている人もいます。

難病を取り巻く環境が大きく変化したのは、2014年5月に難病医療法が成立したことです。それまでは難病としての医療費助成の対象疾患が65疾患でした。これが1972年に策定された難病対策要綱から、42年ぶりに300疾患まで拡大されました。また2018年4月の時点では対象疾患が増えて331疾患となっています。難病に対する医療費助成制度は拡充されましたが、社会の難病に対しての理解度はまだ進んでいないようです。そのため職場や日常生活において、難病の当事者は無理を重ねていると言う現状があります。また難病になったことで国から生活費の助成はありません。ただ障がい年金の受給が就労困難な状態の場合は可能性があります。

障がい年金には種類があり障がい基礎年金は、病気や怪我の初診日が国民年金加入期間中であることが条件です。受給できる障がいの状態は、障がい等級が1と2級に該当する人です。2016年4月の時点で1級の受給年金額は975.100円で2級は780.100円です。また障がい厚生年金の場合は、病気や怪我の初診日が厚生年金加入期間中であることが条件です。障がい厚生年金の特徴は障がい基礎年金に上乗せした形で受給できることです。もし障がいの状態が2級に該当しなくても3級としての障がい厚生年金が支給されます。難病の人が就労する場合で国が行う支援対策の助成金などに関しては、雇用する事業主が難病当事者の就労条件を申請する必要があります。そして支給条件を満たせば事業主に支払われます。他にも難病当事者を雇用する事業主に対しては様々な助成金制度があります。

関連の記事