難病を患うと生活面に大きな支障が生じる

発症原因が不明で治療方法が確立しておらず、長期的な療養が必要な難病は生活に大きな支障をもたらします。国の指定条件に該当する難病であれば治療費の補助を受けることは可能ですが、治療に時間を割かれる問題が生じます。また、難病を患っている人は体力が低く、過酷な労働に対応できないのも問題の一つです。
雇用主が求める仕事ができないと見なされ、就労が非常に困難になってしまいます。その結果、収入が得られなくなり、生活が困窮する事態に陥ってしまうことから福祉サービスの利用が不可欠です。福祉サービスの詳細は役所の窓口や福祉施設で確認することができます。

難病患者向けの就労支援サービスについて

難病を患っている人を対象にした福祉サービスの一つに就労継続支援A型があります。これは難病患者や障がい者の労働意欲を尊重すると共に、社会から孤立しない目的で作られた就労支援サービスです。仕事内容は飲食店での接客やパソコンを使うデスクワーク、工場での軽作業など多彩です。
身体機能や体調に合わせて仕事を選ぶことが可能なので、難病を理由に長時間の労働が困難な人でも仕事に従事することができます。また、一般の労働と同様に雇用契約を結んで働くことから最低賃金の金額分は必ず給料として得ることができる特徴があります。その一方で就労継続支援A型の利用は世帯収入や難病の種類によっては制限が生じるので注意が必要です。

社会からの孤立を避けるのが大きな課題

難病を患っている人は体を動かすことが難しい状態に置かれていることが多いので、必然的に他者との接触が減少します。自身の親族や医療、福祉関係者以外の人と接する機会が殆ど無く、社会から孤立するケースも決して珍しくありません。社会からの孤立は精神面に悪影響が及び、体調不良に陥る可能性があります。
そのため、体を動かすことができる人なら積極的に外出したり就労支援サービスを利用するなど、他者と接する機会を多く設けることが重要になります。自身で移動するのが困難な人でも親族などの協力の元、できるだけ外出するように心がけるのが社会から孤立しないための工夫です。