人とのコミュニケーションに悩んだら
文字に頼る
対話は、声を出したり会話をしたりしなくてもできるものです。ことに職場においては、文字にして残す方がメリットが大きい場合もあります。時間が経っても読み返すことができ、内容の取り違えなども少なくなります。むしろ伝える内容の重要性が高まるほど、文字でコミュニケーションをとった方が良い、とも言えるのです。またスキルトレーニングという点でいえば、対話の内容を文字化しておくことは自分にとっても重要です。伝えたい内容を事前に精査することができ、自分が過去にとった行動を省みることもできるからです。「話すのが苦手」「思ったようにしゃべれない」という人はぜひ、文字でコミュニケーションをとってみてください。「あの人は丁寧で筆まめだ」という、思いがけない高評価を得られるかもしれません。
聞くことに徹する
話したくないなら、必ずしも無理に話をする必要はありません。仕事上必要であれば最低限の内容は伝えなければいけませんが、その他の場面では、人の話にきちんと耳を傾けることだけでも立派なコミュニケーションになります。「話し上手=コミュニケーション上手」ではありません。特に気のきいた答えができなくても、役に立つアドバイスができなくても、気にしないことです。話すだけで気が済んだり、他人に話すことで自分の頭の中が整理されたりすることもあるからです。「自分は話すのが苦手だ」という人は、ただ黙って話を聞いてくれる存在に徹してみましょう。「あの人は聞き上手だ」と思ってもらえたら、もうこちらのものです。
自分の気持ちは相手にも伝染することを忘れずに
「この人は何となく苦手だ」と思ってしまうと、その気持ちがなぜか相手に伝わってしまう、ということは少なからずあります。反対に、「この人はいい人だな」「話しやすいな」と感じる場合は、相手も自分のことをそう感じている、ということが多くあるものです。ですから、苦手だと感じる人がいたら1つでもその人の良いところを探すよう努力したり、無理にでも「この人は実は良い人かもしれない」「職場では怖いけれど、優しいところもあるのかもしれない」などと考えるようにしてみてはどうでしょうか。その気持ちはきっと相手にも伝わり、相手が自分を見る目も変わってくることでしょう。